買い物の後で入ったのは、商店街の中にある小さな喫茶店だった。
夕方だったせいか、最近の商店街には活気がないせいか、お客は私達ふたりだけだった。
恭平さんのお母さんの知り合いのお店みたいで、彼女は注文を取りに来てくれたおばさんに「この子、息子のお嫁さんになる人なの」と勝手に私を紹介した。
「あら、こんな若いお嫁さんをもらえるなんて、恭平くんも幸せね」
おばさんがそう言ったとき、
「あのっ…、私…、別にそういうわけじゃないんです…!恭平さんとはまだ…」
私は思わずお母さんの話を否定していた。
「あら、そんなに照れなくてもいいじゃない…。どうせホントのことなんだから」
お母さんはそう言って、店のおばさんに微笑んだ。
「ごめんね、この子少し恥ずかしがりやさんみたい」

