恭平さんはハサミを置くと、いきなり私を後ろからぎゅっと抱きしめてきた。




「えっ…?!」




体がびくついて、ケープについていた髪が下に飛び散った。




「あのっ…、離してください…!」




そう言う私に、彼は耳元でささやいた。




「交換条件」


「え…?」


「俺は君に幸男情報を提供するから、代わりに君は俺に君の一番大事なモノを提供するんだ」


「えっ…」


「どう…?それを飲んでくれるんなら、俺は君にあいつのこと、いくらでも教えてあげるよ…?」