「あの子がバツイチだって話は聞いてる…?」
「あ…、はい…」
「そう…。それじゃあ話が早いわね…。ホントは最初の結婚で、あの子のお嫁さんになる人にこの着物を着てもらおうと思ってたんだけど、その人ウエディングドレスが着たいとか言ってね…、結局着てもらえなかったのよ」
「そうですか…」
みぽりんの趣味を考えると、何かわかるような気がした。
「それで志保ちゃんにはぜひこれを着てもらおうと思って、今出してみたんだけど…」
「え…?」
「虫に食われたあともないし、大丈夫みたいね」
「……」
…もしかしてお母さん、
私にこれを着て恭平さんのところへお嫁に来なさいとか言うわけ?
「志保ちゃんならきっと似合うと思うわ」
「……」
どうしよう…。
お母さん、ホントに私が恭平さんと結婚するって思ってるんだ…。

