初恋グラフィティ


「それが…、昨夜ユキちゃんひとりで帰っちゃって、電話もしたんですけどつながらなくて、あれから連絡取れてないんです…」


〈え…?そうなの…?〉


「はい…」


〈じゃあ今日も幸男とクリスマスどころじゃないね〉


「はあ…」




すると恭平さんは意外な提案をしてきた。




〈じゃあさ、これからうちに来ない…?うちって言っても、俺の実家なんだけど…〉


「え…?」


〈これから母さんとクリスマスパーティーをするとこだったんだ。ちょうどいいから志保ちゃんも来なよ〉


「えっ…」


〈今どこ?迎えに行くよ〉


「あ…、えと…」




予想外の展開に頭が混乱し始めたけど、


結局私は「恭平さんのアパートまで来てたんですけど…」と正直に答えていた。