初恋グラフィティ


美容院に着き、対応してくれた従業員にたずねると、


恭平さんは今日は休みを取っているということで、残念ながら会うことができなかった。




それなら家にいるのかなと思った私は、記憶を頼りに彼のアパートまで歩いてみることにした。






目的地にたどり着いたとき、辺りはすっかり暗くなっていた。




けれど恭平さんはアパートにもいなくて、


最初からこうすればよかったと思いつつ、私は携帯電話の着信履歴から彼に電話をかけていた。






呼び出し音が途切れ、電話がつながる。




〈もしもし?〉


「あ…、すみません…。志保ですけど…」


〈おー、志保ちゃん…!きのうはどうもね…。あれから幸男とぎくしゃくしたでしょ…?ごめんね…〉




電話口の恭平さんはやけに明るかった。