キーコも口を挟んだ。
「そうだよ、志保…。結婚とか出産って一生のことだよ…?もうちょっとよく考えてみなよ」
「う…ん」
私は心の中を再度整理してみた。
みんなの言うことはよくわかる…。
みぽりんの言うとおり、確かに私は恭平さんに同情している。
私にできることがあれば、何とかしてあげたいって思ってるし…。
…でもね、
そういうのを別にしても、やっぱり子どもを堕ろすのには抵抗があるよ…。
だって、
恭平さんのお母さんの命は延ばしたくても延ばせない運命にあるわけだけど、
お腹の赤ちゃんの命は、私の力でいくらでも延ばしてあげることができるんだもん。
それに、
お腹の赤ちゃんは恭平さんの子であると同時に、私の子でもあるんだよ…?
そう考えると私、
やっぱり中絶できないような気がしてくるよ…。

