初恋グラフィティ


私は彼の気持ちを逆撫でないよう、言葉を選びながら続けた。




「ユキちゃん…、ずっと嘘ついててごめんね…」


「え…?」


「私ね…、ユキちゃんと付き合う前に、ユキちゃんのこといろいろ教えてもらおうと思って、恭平さんを訪ねて行ったことがあるの…」


「恭平って…、あの藤沢恭平…?」




ユキちゃんが眉間に皺を寄せた。




「うん…。そしたらあの悪魔、ユキちゃんのこと教えてやる代わりに、私にも一番大事なモノを提供してもらうよって言って…」




目から涙がこぼれた。




「私…、乱暴されちゃったんだ…」