初恋グラフィティ


「志保…?」




名前を呼ばれ顔を上げると、


目の前に傘をさしたみぽりんが立っていた。




「先生…」




心細くなっているときに声をかけられたせいか、


彼女の顔を見たとたん、私は思わず泣いてしまった。




「どうしたの…?こんなところで傘もささないで…」


「せんせ…っ」


「志保…?ねえ、どうかしたの…?」


「…っ」




涙は声にならなかった。




「わかった、ここじゃ寒いから私の家に行こう…?すぐそこだから…」




みぽりんの言葉にうなずくと、私は彼女の家にお邪魔させてもらうことになった。