ユキちゃんと付き合うことになって早数日。
私はユキちゃんの部屋に遊びに行ったり泊まりに行ったりして、
その度にユキちゃんのあれこれを聞かせてもらっていた。
ユキちゃんの好きなもの、嫌いなもの、誕生日や血液型。
どんな本を読んで、どんな音楽を聴いて、どんな映画を見るかなんてことは、別に聞かなくても彼の部屋にいるだけでわかった。
(子供が好きそうな漫画を読んでいたり、実は洋楽派だったりしたのは意外だったけどね。)
泊まりに行けない夜には必ずメールか電話を入れた。
通信時間はあまりかけられなかったけど、ユキちゃんとつながっているんだと思うと嬉しくて、それだけで生きる気力がわいてきた。
日々の予習復習、宿題なんかにも断然力が入ったし、
好きな人に応えてもらえる喜びは、いつしか私のエネルギーと化していた。

