その晩。
私はユキちゃんに電話をかけると、早速みぽりんに聞いたことを伝えてみた。
〈へー、そんなのがあるんだ〉
「うん…。それで私もユキちゃんにお花をもらえたらいいなって思ったんだけど…」
そんなふうにお願いすると、ユキちゃんはあっさり承諾してくれた。
〈オッケー。じゃあ演奏会には大きな花束を持って応援に行くよ〉
「うそ…。ホントに…?」
〈ああ…。約束するよ〉
電話機の向こうでユキちゃんは笑ってくれた。
…やったぁ!
ユキちゃんからお花がもらえるよぉ…!
ユキちゃんの言葉に、すっかり舞い上がってしまった私。
そんなわけで定期演奏会はまだまだ先の話だったけど、
その日から私は3月が来るのをひどく心待ちにしていた。

