「確かに私じゃ役不足かもしれない…。けど、ユキちゃんを想う気持ちは誰にも負けてないと思う…。だから…」
私が彼に近づくと、ユキちゃんは少し顔を上げた。
「わかってる…。志保の気持ちはよくわかってるよ…」
「うそ…。わかってないよ…。全然わかってないっ…!」
「そんなことないって…」
「そんなことあるっ…!」
どこまでも突き放そうとするユキちゃんに、私はもう泣きたくなっていた。
…そしてその瞬間、
言葉で通じないんなら行動で示すしかないと脳が判断したのか、
私は目の前のユキちゃんを思わずぎゅっと抱きしめていた。
「えっ…、志保…?」
ユキちゃんが驚いたように私を見下ろした。
「私じゃやっぱりダメ…?」
私はユキちゃんの顔を見つめた。
「私がユキちゃんの側にいたらダメ…?」
ユキちゃんは無言のまま私を見ていた。
「私がユキちゃんの悲しみも苦しみも、全部一緒に背負うから…」
「……」
「ね…?」
「志保…」

