アパートの裏に柔らかそうな土壌を見つけると、私は手で穴を掘り、そこにハムスターの死骸を埋めた。
そして両手を合わせて天国で安らかに眠ってねと祈った後、
また階段を上がってユキちゃんのところへ戻った。
洗面所で手を洗ってから部屋を覗くと、ユキちゃんは相変わらずふとんの上で寝そべっていた。
失恋のショックから未だに立ち直れないんだってことは簡単に見てとれる。
…でも、だからって、
何の罪もないハムスターを死なせるなんてちょっとひどいよ…。
それでもユキちゃんを嫌いになれなかった私は勝手に台所に立ち、
買ってきたもので夕食を作ると、それを部屋に運んだ。
「御飯できたよ…。あったかいうちに食べよう…?」
私が声をかけると、
「ごめん…、あんまり食欲ないや…」
ユキちゃんはそう言って、リモコンをいじってテレビをつけた。
…それはまるで私などここにいないかのような態度で、
さすがの私もとっくにしびれが切れてしまっていた。

