初恋グラフィティ


「ちょっとユキちゃん…!ハムスター死んでるよ…?!」




私はふとんの上に横になり始めたユキちゃんに向かって叫んだ。




「どうして…?!」




ユキちゃんがこちらを向いた。




「あー、ごめん…。エサ、ちゃんとあげてなかったから…」


「え…?」




ユキちゃんの非情な言葉に、泣きそうになった。




「どうして…?エサあげなかったら餓死するにきまってるのに…!」


「ごめん…。実穂が喜ぶと思ってもらってきたハムスターだったから、あいつがいなくなったら何かどうでもよくなって…」




ユキちゃんはふとんの上に起き上がると、再びごめんと繰り返した。




「そんな…、ひどいよ…。私、ユキちゃんが大事にしてくれると思ったからあげたのに…」




私はハムスターをハンカチで包むと、それを持って玄関で靴を履いた。




「とりあえずこの子外に埋めてくるね…。それからご飯作るから…」