初恋グラフィティ


家を出た後。


私は近くのスーパーマーケットで買い物をしてからバスに乗った。




バスを降りてみぽりんに言われたとおりに行くと、ユキちゃんのアパートは思ったより簡単に見つかった。



駐車場には彼の車もある。



ユキちゃんの在宅を確認した私は、2階の1番手前のドアの前に立った。






ドキドキしながらインターフォンを押すと、しばらくしてそのドアが開いた。




「志保…」




ユキちゃんが顔を覗かせた。




「ごめんね…。みぽりんに教えてもらって来ちゃった」




私が笑うと、ユキちゃんは眉間に皺を寄せた。




「何で…?」


「何でって…、えっと…、今日ユキちゃん元気なかったから、夕飯でも作ってあげようかなって思って…」


「え…?」


「あ…、もしかして夕御飯もう準備してた…?」


「いや…、それはまだだけど…」


「そう…?よかった…。じゃあ…」




私が再び笑うと、ユキちゃんはため息をついた。