私は曖昧な返事しかできなかったけど、キーコはひとりで盛り上がっていた。




〈そうだ…。ねえ、これからユキちゃんちに夕飯作りに行ってあげるってのはどう…?〉


「えー?」




キーコの提案に私は反対した。




「そんなことできないよ…」


〈何…?何か問題でもある…?〉


「だって、さっき会ったばかりなのにまた会いに行くなんて、ちょっとしつこすぎない…?」




それでもキーコは自分の意見を押し付けてくる。




〈は…?何怖気付いてんの…?思い立ったが吉日って言うでしょ…?さっさと出かける用意して、ユキちゃんちに行って来なって…!〉






キーコに言い負かされた私は、結局ユキちゃんに会いに行くことを決めた。



合唱部の連絡網を見ながら、みぽりんの携帯に電話をかける。


みぽりんならユキちゃんがどこに住んでいるか知っているはずだ。




みぽりんにつながると、彼女はまだデート中だったにもかかわらず、


すぐにユキちゃんが住んでる町の名前とアパート名とその部屋番号を教えてくれた。




詳しい番地までは言われなかったけど、簡単な行き方と目印になる建物などを聞くことができたので、


私は散々お礼を言って電話を切った。