ホテルを出た後も、


再び車で家まで送ってもらう間も、


私達は全く言葉を交わさなかった。




車から降りるときにまたねと言ってみたけど、


ユキちゃんは黙ってうなずいただけだった。






…ユキちゃん、私のこと何て思ったかな。



女の子の方から誘うなんて、軽い女だって思われたかもしれない。




でも、ああ言うしかなかったんだもん…。



ああ言うしか…。






ひとり悶々と考えていると頭が狂ってしまいそうで、


部屋に戻った私はすぐさまキーコに電話をかけていた。




電話がつながり、今日あったことを全部話すと、キーコはひどく驚いていた。




〈へー、あんたにしてはすごく頑張ったじゃん〉


「でしょ…?なのにまた玉砕だよ…」


〈たぶんユキちゃん、今すっごく落ちてるんだと思うよ〉


「それは私も思った。だから側にいてあげたかったのに…」




私がため息をつくと、キーコはいつものように自論を展開させた。




〈けど、ユキちゃんとしてはそんな簡単に志保に甘えられなかったんじゃない…?〉


「え…?」