初恋グラフィティ


ユキちゃんは自分を責め続けた。




「志保にはさっきも悪いことしちゃったしな…」


「え…?」


「俺、実穂の前で志保と付き合うことにしたって言っただろ…?」



「…ああ」


「ごめんな、あんな嘘ついちゃって…」


「……」




…そっか、


やっぱりあれは嘘だったんだね…。




そうじゃないかとは思ったけどさ…(泣)。






「ホントごめん…」


「そんな…、別に謝らなくてもいいよ…」




そんなに謝られると、こっちがみじめになっちゃうし…。




「私は全然気にしてないから…」




私は笑ってみせたけど、ユキちゃんは暗い表情のままソファの上で膝を抱えた。




「映画だって見せてやれなくてごめんな…。けど俺、実穂と新しい彼氏をあれ以上見ていたくなくてさ…」


「うん…」




ユキちゃんの気持ちは何となく私にもわかった。