初恋グラフィティ


「…っ、違うから…!」




私は思わずユキちゃんの左頬をたたいていた。




「私、みぽりんじゃないよ…!」


「あっ…、ごめん…!」




ユキちゃんはあわててベッドから下りると、そのままソファに腰掛けた。




「ごめん…、ホントごめん…!」




ユキちゃんが頭をかいた。




「あいつのこと、まだちゃんと吹っ切れてないせいかな…。時々実穂の幻影が見えるんだよ…。志保まで実穂に見えてくるとは、こりゃ完全にいかれてるな…」


「……」




私は無言で体を起こすと、ベッドの上で正座をした。




「そうだよな…、志保は実穂じゃないんだもんな…。高校生をこんなところに連れて来るなんて、俺ホント頭がどうかしてたよ…」