すると赤信号でブレーキを踏んだユキちゃんがこっちを向いて言った。 「実は俺、来月の頭に引っ越すことにしたんだ。アパートでも借りて、ちょっとひとり暮らししようかと思って」 「え…?」 それは この幸せな時間がいつまでも続くと思っていた私にとって、 全く予期せぬ出来事だった。