『信じる?』

彼は机に顔を沈めスゥスゥと寝息をたて
ぐっすりと眠りについていた。
私はいつもの様に彼に毛布をかけた。
そのとき、私の視界に開いたままの
ノートが飛び込んできた。
私は気になって、
彼の腕をそっとどかし読み始めた。
いけないと思ったが私は何故だか
気になって仕方がなかった。


信じるってなんだろう。
俺は信じるという言葉には
裏切るという意味もセットになってる
気がしてならないよ。
悲観的にきこえるだろう。
そう今まさに俺は悲観的なんだ。
弱みだけをネタにして
悲劇の主人公を演じる気なんかないけど
信じるという言葉があるからこそ
裏切るという言葉が成り立っている
気がしてならない。
信じれば信じるほど信頼感が深く
そして重くのしかかってくる。
裏切られた時、その重さは人に大きな
ダメージを与える。
信じたいという
けなげな純粋な思いが牙をむく。

白というなかに音も忍ばせずただずむ黒。
それは風の様に俊敏に動く忍者のよう。