雨がしとしと振る中、今日も医者として働いている。
今から、担当患者さんの理杏のところに行くところなんだ。

「入るよー。理杏」
「川見先生。いいよ」
ドアを開けると、優しい笑顔で僕を見つめる理杏がいた。思わず僕も笑顔になる。

「面接に来たよ」
「うん。今日も川見先生と話すの楽しみにしてた」
「ありがとう。僕もだよ」
僕は理杏の隣に座ると、紙を取り出して面接を始めた。
「今日は楽しいこと何かあった?」
「特に何もなかったよ」
「そっか……じゃあ、きつかったことは?」
「また他の子に変って言われたことかな」
「そうだったんだね。辛かったね…。僕からも後で注意して貰えるように頼んどくね」
ペンを置いて、理杏の小さな頭を撫でる。こうしないと消えてしまうんじゃないかって不安だから。
「大丈夫だよ。理杏は川見先生から離れないから」
「すぐ分かるんだね。ありがとう。本当に優しいな、理杏は」
思わず涙腺が緩む。理杏は優しすぎるんだ。だから、僕の方が助けられてる。
「そうだ、今から散歩行く?」
「いいの?」
「うん、いいよ。行こう!」
雨が降ってるから外には行けないけど、代わりに院内にあるコンビニに来た。