「ただで、返してもらおうと思ってます?」

「え?あっ、いえ、そんなことは思ってません。もちろんお礼はさせていただきます。でも何がいいですか?そういうのまだ、わからなくて。常識が足りず申し訳ありません。」
謝罪した。

「そうですね。
 じゃあ、夕食一緒に食べませんか?」
笑顔で言われた。

「あっ、それなら、全然いいですよ。
何がいいですか?」
「じゃあ、高級フレンチがいいです。」
「え?」

『高級って、私、凡人なのに、無理』

「嘘ですよ。今、焦りました?」
笑っていた。
「正直、焦りました。」
ホッとした。

「とりあえず、このショッピングモールにあるレストランで食べましょう?」
「はい。」

『それなら大丈夫だ!』
安心した。