記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

「今日はここまでにしようか。」
「いやだ。もっと聞きたい。」
話を終わろうとする彼に、私は思わず手を握る。

私の切羽詰まった感情に触れて驚いたように紫苑は私の両肩に手をあてて、私を見た。

「じゃあ、少し休憩しよう。少し休んだほうがいい。そしたらもう一度話し、するから。な?」
「・・・」
「お腹も少し張ってるし、顔色も悪くなってきた。少し眠って、昼食を食べたあと、話の続きするから。な?」
そう言って私のお腹に触れる紫苑。

確かに少しだけお腹が張っているような気がする。
頷くと紫苑は私の背中に手をあてて、ゆっくりとソファに体を横にすると、寝室から毛布を持ってきて、かけてくれた。

「おやすみ。眠れそう?頭痛は?」
「・・・大丈夫・・・」
「桐乃の大丈夫は前から大丈夫じゃないからな。」