記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

隣で話を聞いている私の肩を抱き寄せて、髪を撫でたり、私の顔色を見ながら話を続けてくれる。

「俺、きっと出会ったその日から桐乃に惹かれててさ。それがハンバーガーを口いっぱいに頬張りながら嬉しそうに笑う桐乃の姿に、一気に加速した。」
「・・・」
急に恥ずかしくなって、紫苑の視線から、目をそらすと紫苑はふっと笑って私の肩を抱き寄せた。

「日本に桐乃が帰るって実感して、すごい寂しかった。離れたくなかった。」
「・・・」
「でも、桐乃は日本に帰った。」
「え?」
思っていた話と違って、私は思わず紫苑の方を見る。

「まさか、そのまま俺が桐乃をさらっちゃったって思った?」
いたずらに微笑む紫苑に、反応してしまったことが恥ずかしくて、私は彼の肩に戻った。
身を預けるように彼に寄りかかると、彼は私の肩に手をまわしてしっかりと支えてくれる。