記憶のない私と、一緒のベッドで眠ることに紫苑は遠慮してくれたけれど、寝ている間に私が何かあったらと、何度も何度も寝室の扉をそっと開けて確認してくれている彼に、私から一緒に眠ることを提案した。

彼の負担にしか慣れていない自分がもどかしくて、彼の負担を減らす方法を考えていた。


そして、疲れている彼が寝ているのを起こさないように、ベッドを抜け出すことに今日は成功して、朝食を作っていたのだ。

「頭痛は?」
「平気」
「つわりは?」
「大丈夫」
彼に安心してほしいと、笑顔で伝える私に、彼はふっと嬉しそうに笑う。

「今日のメニューは何?」
彼は私の横に立ち、パジャマの袖をまくり上げた。