記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

「それが俺たちの出会い。」
「それから?」
紫苑の言葉に、私は食い入るように話の続きを求める。

「続きはこれ、食べてからな。」
紫苑は近くに置いてあった紙袋を私に見せる。
「つわり中の桐乃が食べられるもの、買ってきたんだ一緒に食べよう。」

机の上に出されたのはハンバーガーとポテト。
「それからこれ」
瓶に入った何かを私に見せる紫苑。
何なのか知ろうと顔を近付けると紫苑が「ピクルス」と言って瓶の蓋を開けた。

「私、嫌いなはず。」
ピクルスは昔から嫌いだった。
ハンバーガーに入っているピクルスを抜いていた記憶もはっきりと残っている。

「初めて食べる時も言ってた。昔からピクルスが嫌いで、ハンバーガーの中に入ってるピクルスは必ず抜いてたって。」