「桐乃への想いは何があっても変わらない。俺たちにとって初めての大きな試練が事故だったと思うんだ。それでも、本当に俺の気持ちは一度だって揺るがなかった。確信してる。これからも一生、何があっても桐乃を愛してる。そばにいたい。離れたくない。」
まっすぐ私を見つめてくれる紫苑。

「結婚してください。絶対に幸せにします。桐乃と、この子と。」
そっとお腹に触れて微笑む紫苑の顔を見ていたら、ふと涙がこぼれた。

「何があってもそばにいて、一緒に乗り超えて、二人を全力で守ります。」
紫苑が私に指輪を差し出す。

「いいの・・・?私で・・・」
涙に詰まりながら紫苑に言うと、その瞬間彼は私の体を抱きしめる。

「桐乃だからだよ。記憶がなくなって、桐乃に変わりない。桐乃は桐乃だろ。」
私が一番欲しかった言葉かもしれない。