記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

私の勝手なイメージで、緑などほとんどない都会のイメージだったニューヨーク。
意外と市街地を過ぎると緑が多いことに驚く。

「この公園を歩いたこともあるんだ。まだ桐乃の妊娠がわかっていなかったんだけど、そのすぐ後に妊娠が分かったから、気づいてなかったけど赤ちゃんと一緒だった。」
「私の妊娠が分かった時って・・・。」
今まで聞いていなかった話を私から聞くことに、彼は少し驚いたように視線を移した。

「こう見えても俺、医者だからさ。桐乃よりも先に体調の変化に気づいたんだ。それで一緒に薬局に行って検査薬を買ってきた。」
「・・・そっか。」
「俺にとっては、うれしさしかなかったんだけどさ。桐乃がもう一度ニューヨークに来てくれた時から俺は桐乃をもう離すつもりはなかった。だから、この子が来てくれて、本当にうれしかったし、俺は望んでた。」
はっきりと話してくれる紫苑に、うれしくなる。

「私は?」
「ん?」