記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

まだ、私はニューヨークの冬を知らない。
「もうそろそろクリスマスツリー買うか。」
「え?早くない?」
季節は秋。まだクリスマスまでには1ヵ月以上ある。

「楽しみは長く味わいたいタイプなんだ。せっかくだから大きなツリーに飾りつけしたいじゃん。それに来年はこの子もいるしな。」
「そっか。」
最近目立ってきたお腹に手をあてたり、さすっていることの多い私。
「話し、聞こえてるみたい。」
動き始めた赤ちゃんを感じながら、私が彼をみる。
「来週は検診があるから、エコーみられる。」
日本と違って妊娠中の検査の回数は多くはない。
貴重な検診に私も彼も楽しみにしていた。

「楽しみ」
「だな。性別もわかりそうだし。桐乃は性別、聞きたい?」