記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

「疲れちゃうから、いい。」
私が彼の手をとめようとすると、彼は私の力にはびくともせずマッサージを続ける。

「研修医のころから毎日4時間睡眠、1時間仮眠で生活してきたんだ。短時間で集中して眠れる。それに18時間のオペに耐えた体力も自信がある。そんなにやわじゃない。」
鏡越しに私を見つめる彼。
「・・・」
「大丈夫。信じて。」
記憶を失ってから期間はかなり短い。

彼との時間も。

でも、なぜか今まで出会って来たほかの誰よりも彼を信じられるのが不思議だ。

「信じてる・・・。わからないけど。心から信じられる。」
私の言葉に、彼は明らかに嬉しそうに微笑むと、私の頭を撫でた。
「終わり。よし、5分でシャワーするから、ベッドで待ってて。」