「一緒に見てほしいの。」
「うん」
彼はすぐに私が言った言葉の意味を理解してくれる。

「そばにいる。」
力強い言葉と一緒に、彼が私の手に渡してくれたのは、古い携帯電話だった。

私がもう一度携帯電話を手にすると、紫苑は私を包み込むように抱きしめて、少し冷たい手に熱をわけてくれる。

「大丈夫。」
彼の言葉に背を押してもらい、私は携帯電話のメモリーをみる作業を再開した。

緊張はする。
でも怖くない。

たとえ思い出せなくても、私には未来がある。
彼と赤ちゃんと、私と。

3人の未来が・・・。