記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

「あったかいな。こうしてると。」
すっぽりと紫苑の体に包まれている私。

どのくらい時間がたったのだろうか。
こんなに眠くなるのは紫苑が教えてくれたつわりのひとつなのだろうか。

そんなことを考える余裕が出て来た。

・・・・っ!
「あっ」

私の感覚と同時に紫苑が声をあげる。

「動いたっ!」
体をぴったりと寄せ合っていた私たち。
お腹の赤ちゃんが動いた瞬間を、彼も感じたようで、無邪気な子供のように反応して、満面の笑みを浮かべる。

大きな手を、私のお腹に回した彼は何度も何度も感じる胎動に、今まで見たことの無いような嬉しそうな顔をしている。

お腹の赤ちゃんの胎動もかわいいけれど、無邪気すぎる彼から目が離せずにいると、彼はふっと私の視線に気づいて微笑みかけると、そっと私にキスをした。