記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

「ごめん。本当はもっと早く帰りたかったんだけどオペが長引いて。ごめんな。」
背中をさすりながら何度も繰り返し謝る紫苑。
何も悪くないのに。

そう思いながらも何も言えずにいる私。

「体調は大丈夫?」
彼の質問に首を縦に振る。

それでも彼の胸に顔をうめて離れない私に、彼はそれ以上何も言わないまま、私の涙が落ち着くまで抱きしめ続けてくれた。


「少し横になろうか。」
あまりに涙をとめられない私に、紫苑は少し困ったような顔をしながら、体を離そうとする。

今体を離したら、顔がぐちゃぐちゃで、私はとっさに彼の背中に回した手に力を込める。