記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

記憶を失っている間の私が残したデータ。

知らない情報が詰まっている携帯電話。

これが私が記憶を取り戻すための最後の希望のように思っていた。



だめだ・・・思い出せない。


彼の大きな手の写真を見ても、どんな場面がが分からない。
彼がキッチンで立つ背中をみても、どんな話をしていたかわからない。

私はふと自分の足首に残っている、彼と出会った日についた傷を指でなぞる。
5㎝ほどの切り傷。

自分の体に刻まれた過去すら、何も思いだせない。