記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

そこには・・・
卒業旅行で私が撮った写真たちがたくさん眠っていた。

ニューヨークの街並み。
見たいと決めていた歴史的な建造物。
美術館の入り口の写真もある。

まるで今私がニューヨークの街並みを歩いているかのような気分になるほど、当時の私が歩いた場所、目に入る景色を次々に写真に収めていることがわかる。

そして・・・

その写真の最後の方には、紫苑が写っていた。

今の私には、大きく、筋の通った手の写真だけで、その手が彼の手だとわかる。

彼と出会って・・・私はきっとすぐに恋に落ちたのだろう。
彼の手、白衣姿の後ろ姿、リビングから見える景色。
キッチンに立つ彼の後ろ姿。