記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される

「じゃあ・・・あれは・・・」
夢の最後に見たのは、両親の遺影。

私はその前で喪服姿で携帯の画面に文字を打ち込んでいた。
『会いたい』と。

「桐乃、落ち着こう。深呼吸をしよう。」
「私の・・両親はっ!?」
「・・・桐乃。」
紫苑は言いにくそうにしながら口を開いた。

「亡くなったんだ。桐乃がニューヨークから日本に戻って1週間後に。」
「・・・」
彼は私の様子をみて、私がすべての記憶を思い出したわけじゃないと悟ったようだった。
「交通事故で亡くなったんだ。」
私に告げてから紫苑は私の体を抱き寄せて、背中をさすってくれた。