「そりゃあ、良い物を食べさせてもらい」 「綺麗な服を着させてもらい」 「短大まで入れてもらえた」 「両親にその点は感謝しているよ」 「けれど、絶対に嫌なものは嫌や」 今まで言えなかったことを全てぶちまけてしまう。 兄はその言葉をひとつひとつ受け止めて頷いてくれる。 「おまえも大人になった証拠や」 「ありがとう」 涙が止まらない。 「彼、卒業したら、仕事で鹿児島へ行っちゃうの」 「でも、付いていきたい」 そう言うのが、精一杯だった。