おはようございます。
ただいま朝の五時です。

私、一之瀬 杏は隣の部屋から聞こえる騒音に見事起こされました。

せっかくの休日が最悪な目覚めです。

「蒼ちゃんうるさい、、、」
「あっ、ごめん。
起こしちゃった?」
「思いっきりね。
——撮影中?」

8畳ほどの広さのその部屋は、大きな大きな、ゲーミングデスクやモニター、私にはよくわからない機材などでごちゃごちゃしていた。

掃除しようとすると怒られるので私は触ったことがない。

「んや、ボツだからいい」
「そっか。
ご飯食べたの?」
「カップ麺食ったよ?」

ふにゃあ、と屈託なく笑う蒼ちゃんを見ると気が抜ける。

彼は一宮 蒼といい、私の一つ歳上の25歳。 
sosoという名前でゲーム実況者として生計を立てている。一般的サラリーマンの収入よりは上だが、ゲーム実況者としてはまだまだ未熟者らしい。

毎日寝る時間以外はゲーム実況してるか、撮影した動画を編集している。


こっちとしてはいつか倒れてしまいそうで心配になるのだが。