「なんで、雨の中配った?雨が降ったら中断すればいいだろ」


滝のような雨が流れるなかで私はうつむいて言った。


「私の勉強見てくれてるし、説明会の準備はやってるしで....。
会長先輩がそんな大変な思いをするなんて納得いかなかった、だけです....」


冷たい制服が肌に染み込む。


「は?そんなこと。
別に俺は大変な思いをするために生徒会長になったから」


「そうですよね、すみません....」


「別に」


「それと、私が勝手なことしたせいで真陵高に泥を塗っちゃったし....」


蘇る、あの集団に言われたこと。


「多分学校の評判は落ちてしまいます。私のせいで。
本当に勝手なことしてすみませんでした」


瞳から涙が溢れるのも構わず、頭を下げた。


インクが滲んでチラシがダメになっちゃったし余計に会長先輩の仕事を増やした。


迷惑かけてばっかりだ....。


「別に。助かった」


会長先輩の一言。