生徒会室で甘い、秘密の時間

生徒会室へ向かう廊下を歩いていると千隼の影が見えた。


気まずい。


とっさに柱の影に隠れる。


ほんと、やんなっちゃう。


早く謝ればいいのに、私。


「こんにちは」


「宇佐美、みんな作業入ってるぞ」


会長先輩が生徒会室に入るなり怖い顔をしていて。


「す、すみません」


すぐに文化祭の看板の組み立てに入る。


「お疲れ様です」


「あっ神山くん」


「大変ですよね、継母役」


看板に釘打ちをしながら呟く神山くん。


「はは....神山くんは何役だっけ」


「僕は、王子役....です。白雪姫の」


神山くんが王子役だった....?


すっかり忘れてた。


「ってことはすずの相手役?」