霧雨が私の頬を撫でていく。


「っ、ごめん」


千隼は赤い傘を私に押し付けて走り出す。


「え!あっ千隼。待って....。
どうして私を待っててくれたの?」


「ちはるが心配で、そしたらなぜか東條さんが話しかけてくれて。

傘2本持ってるから渡してあげてって言ってくれたんだ。
それせ余計かもしれないけどちはるを待ってた」


すずが....?


「そうなんだ....。ありがとう」


私のために寒い中待っててくれたなんて申し訳ない。


「迷惑だよな。ごめん」


「いや、すずから傘を受け取ってくれてほんとに感謝だよ」


「....帰るか」