そんなこんなでボーッとしてる間に役は決まってしまって。


チャイムが鳴った途端にすずは私のところへ駆けてきた。


「うぇぇ」


休み時間にすずのため息。


こんなため息聞いたことない。


「すず....まさかね」


泣きそうなすずを慰めることしかできない。


「そうだよっ!まさか私が白雪姫とか!」


そうなんだよね。


白雪姫が希望する人がいなくてクジで決めたところ、すずは白雪姫に当たってしまったらしい。


でもそれより私は⎯⎯⎯⎯⎯ 。


「私は悪い継母役だよ?
この役となら白雪姫の方がマシじゃない?」


「全然」


慰めのつもりで言ってみたけどあっさり否定されてしまった。


一応私も悪い継母役で。


嫌なものを当ててしまった。