生徒会室で甘い、秘密の時間

「黒スプレーで大丈夫そ?」


「いやー、どうだろうね」


「早くした方がいいと思う」


教室から聞こえてくる声。


そっと扉の隙間から様子を伺う。


誰....?


「じゃあ書くよ」


チラッと見えたのは。


私の机に黒いスプレーで文字を書く、伊藤さん。


「死ねっだって。美歌(みか)やるね!」


美歌、というのは伊藤さんの名前。


そんな伊藤さんの名前を呼んで笑うのは、真璃ちゃん。


真璃ちゃんがこんなこと⎯⎯⎯⎯⎯ ?


「宇佐美と一緒にいるとか生徒会長、バカじゃない?」


「次の選挙では落ちるかも」


伊藤さんと真璃ちゃんの会話を聞いて動きが止まった。


私だけゃなくて会長先輩まで悪く言われるなんて⎯⎯⎯⎯⎯ 。