「ああ、風間か」


「そうです、それを渡されたので持っていきました」


「だからか。俺の好みを知ってる奴少ないからな」


その少人数のなかに“りの”って人も入っているのかな。


繰り返し繰り返し“りの”と呼んでいた会長先輩の姿を思い出す。


“りの”について聞いてみたいけどあまり踏み込んじゃいけない気がする。


「ちはるっ!」


不意に扉が開いてすずが駆け付けてきた。


「どうしたの、すず」


「どうしたのじゃないよ!
大丈夫なの!?」


「あ....うん」