奏音に打ち明ける日も、もしかしたらそう遠くないかもしれない。
「帆乃愛はきっと自分で考えて行動してるから夏休みの間には決心がついてたかもね」
「わたしもそう思う。お母さんとも仲直り出来るといいね」
「うん……」
お母さんと仲直りか。
なんて言えば良いんだろう。
この気持ちをどう伝えれば良いんだろう。
もともと話してるワケじゃないのに、お兄ちゃんの部屋に転がり込んでから全然話さなくなったから、全然言葉が見つからないや。
今はまだ素直に本音を伝えるなんて出来ないけれど、けれどいつかは、お母さんに今までのことを認めてもらえたら良いな。
私の歌がいつか海を渡って、海外にいる両手のところにも届いたらいいのになぁ。
そう思い至って私は、くすりと思わず微笑んでいた。
どうやら私の目標は、小さい頃から変わってないようだ。
そのことに少し可笑しさと、私なりの家族との繋がりを感じた。