「なんか納得した!」
「うん」
「黙っててごめんね。
音楽から離れて、過去に向き合えなくて、何も言えなかったんだ」
そんな私の言葉に珠々と美咲が聞いてくる。
「教えてくれたってことは向き合えてるってこと?」
「ずっと隠したかったんじゃないの?
『ノア』なんてバレたら色々と大変そうだし」
「校長先生から口止めされてるけどね、友達には話してあげなさいって言われてるし。
いつかは誰かしらにバレるだろうなぁって思ってたから、話さないといけないことだったよ」
まさか二人が先に気づいて、聞いて来るとは思わなかったけど……。
気づくなら、凛花さんか亮平かだと思ってた。二人は勘が働くから。
おかげでびびっちゃったし。
「そのいつかが、今日になっただけだよ」
「そっか。教えてくれてありがとう」
「ありがとう、帆乃愛」
ありがとうなんて、私のセリフなのに……。
「ううん。私の方こそ受け入れてくれてありがとう。
二人に話してまた一歩、自分と向き合えた気がする」