“お前って俺のこと好きなんだなー”
ドキドキ_
ドキドキ_
さっきの奏音の言葉で、私の心臓変になっちゃった気がする!!
落ちつけ、私。
いつも通りにするんだ。
こんなの気のせいだよ。
気のせい!気のせい……!!
「お前って、何号室?」
「306号室、だけどエントランスまでで良いよ。
あ、お茶飲んでく!?」
こう云う時っておもてなしした方が良いんだっけ!?
「──ぶッ!!いきなり大人ぶるなよ」
「ぶってないもん!」
「も──。
……いや、まぁ、別に。お茶とかいらねぇし。
取り敢えず、部屋の前ついたら手を振れよ」
「分かった!」
勢い良く頷くと奏音は買い物袋を下げた方の手で顔を隠してボソボソと何かを呟いていた。
「お前の──とか、──だろ……」
「なに?」
「なんでもねぇよ」
そんな会話をしながら歩いていたら、あっと言うまにマンションに着いた。