それも、さっきより角度の深いキスで。

「……んっ」

　このままではまた呼吸のタイミングが掴(つか)めなくて、苦しくなってしまう。

　そう考えると、頭の中がパニックになりかけてしまった。

　それを察した修太郎(しゅうたろう)さんが、優しくついばむように口付けたあと、一旦キスを中断なさる。

　そうして耳許(みみもと)で
「日織(ひおり)さん、そんなに構えなくて大丈夫です。呼吸はね、鼻ですることを前提に……唇を離したタイミングで少し大きめなのをしてみるのがコツです。――とはいえ、口で言っても分かりにくいでしょうし、僕と一緒に少しずつ練習していきましょうね？」
　と囁(ささや)かれる。

　彼の言葉におずおずとうなずくと、もう一度唇を塞がれて――。

　修太郎さんの唇が何度も何度も私の唇に触れる。柔らかくて嬉しくて胸の奥がジン、としびれるような甘いキスの応酬。