あなたに、キスのその先を。

「……立てますか?」

「は、はい……」

 まだ衝撃の余韻(よいん)が残っていたけれど、塚田(つかだ)さんに優しく手を差し伸べられた私は、彼に支えられてゆっくりと立ち上がる。

 塚田さんは作業着の上を脱いでTシャツになっていらして、だからと言って下は部屋着に着替えるでもなく作業ズボンのままで。

 ここがご自宅ならば、本来今頃お風呂に入ってゆっくりなさっている頃だったかも知れない。
 そう思ったら、申し訳ない気持ちになってしまった。

「ごめ、……にゃさい」

 塚田さんのほうを見られなくてうつむいたままそう言ったら、「それは……何に対する謝罪ですか?」と聞かれてしまった。
 そんなことを言われるとは思っていなかった私は、一瞬言葉に詰まってしまう。

(わらし)塚田(つから)しゃんにご迷惑おかけしれ……しまってましゅ」

 一人で歩くことも出来ないほどに酔っ払って、まともに喋ることもままならない。

 考えただけで恥ずかしくて……穴があったら入りたい。