「ひゃっ、しゅ、修太郎(しゅうたろう)さんっ」

 いつの間にいらしてたのですかっ。

 その問いかけは、私の上に覆いかぶさっていらした修太郎さんの唇で封じられました。
 ふと見ると、修太郎さんは、私と違って、下着――トランクス?――一枚だけで。

 肩に掛けていらした、シャンプーの香りを纏ったフェイスタオルが、彼が私の上に屈んでいらした際に、頬を軽くくすぐりました。

 それだけでゾクッとしてしまう私、変でしょうか。

 い、いよいよ……なのですっ。

 私、今日こそは、愛する修太郎さんとひとつになれるでしょうか。


***


 一旦唇を離していらした修太郎さんが私をじっと見下ろしていらして、フッと柔らかく微笑んでおっしゃいました。

「しっかり服を着ていらっしゃるところが日織(ひおり)さんらしいですね」

 布団を頭からかぶっていらしたので、もしかしたら裸でいらっしゃるのかと期待したんですが、とくすくす笑う修太郎さんに、私は真っ赤になります。

「あ、あのっ、だって私、しゅ、修太郎さんに、ぬっ……――」
 ぬ、脱がせて頂きたくて……ごにょごにょ。

 後半は消え入りそうな小声になったので、彼の耳には届いていないかもしれません。

 でも、そういう理由なのですっ。

 脱いでおくことだって一応少しは考えたんですよ?

 でも……でも……。